パブリックドメインとはコピーライト(著作権)の反対、著作権が放棄された著作物のことをそう呼びます。この言葉は「音楽」や「小説」「写真」など知的財産全般に使われます。
使うのに誰の許可もいらない
「この曲、○○の曲のメロディーパクっとるやん!!パクリやパクリ!」
「いや、その曲2つともクラシックのメロディー使ってるだけじゃね?」
「このクラシックはパブリックドメインだからメロディーを真似ても著作権的には問題ないね。」
著作者の死後70年が経過し、著作権(諸作財産権)が消滅したもの、または自ら破棄したものを「パブリックドメイン」と呼びます。
著作権が消滅してる≠なにしてもいい
しかし、パブリックドメインだからといって「何をしてもいい」というわけではありません。
日本では作者がいなくなり著作権が破棄されてしまったものに対しても「著作者人格権」は破棄されないので、「作者を侮辱するような行為(そう取れる行為)」はしてはいけません。
「サメ映画」はストラヴィンスキーのファンから「あれは『春の祭典』を侮辱してる!!」とはなりませんでしたが、パブリックドメインだったとしても自分勝手に改変すれば「本質を理解してない!」「イメージが損なわれる!」と世間から批判されることもあります。これが『人格権の侵害』ですね。
その一例が「星の王子さま バオバブの苗木」です。
【自称プラントハンターによる「星の王子さま バオバブの苗木」、大炎上により販売中止に】
この問題をざっくりまとめます。
・作中で「バオバブの木」は星を壊す木(ファシズムの象徴)
・作者は反ファシストの闘士だった
・星の王子さまは「バオバブの木」を星の安全のために駆除していた
・しかしパッケージ裏で「王子がバオバブの苗木に水やりをするイラスト」が描かれた
・ついでにオリジナルストーリーも杜撰
結果、ファン激怒
掘り下げるともっといろいろな要因があるのですが、おおよ大炎上の原因はこんな感じです。
「著作者人格権」というのはこういった良識のない(原作を理解していない)改変・行為から著作者を守るためにある権利なんです。
いくらパブリックドメインといっても作者・作品を尊重して扱わないと痛い目に合うかもしれないということです。
そうでなくても、「バオバブの苗木」のように思わぬ批判を浴びることもあります。
因みに、パブリックドメインと混同しがちな「オープンソースソフトウェア」も「なにしてもいい」というわけではありません。しっかりとライセンスで「自由にしていい範囲」が決められています。
「パブリックドメイン」のおさらい
・パブリックドメインは著作権が消滅・破棄された知的財産全般を指す
・「著作者人格権」は破棄されないので作者を侮辱するような行為はしてはダメ
関連用語
・GPL
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