オープンソースとは、ソースコードが無償で公開され「改造したり、改造したものを再配布してもいい」としているソフトウェアのライセンスです。しかし、「何をしてもいい」というわけではないので注意。
WordPressのような簡単にウェブサイトができるシステムをCMS(コンテンツマネジメントシステム)と呼びます。
オープンソース ≠ 何をしても良い
オープンソースは有志の開発者たちよって作られており、利用もソースコードの改造もすべて無料で自由に行えるのが特徴です。
「オープンソース=何しても良い」というイメージがあるかと思いますが、そんなことはありません。
オープンソースと一括りにされていても、ライセンスによってその規約は様々で、「自由に使うための条件」がそれぞれ違ってきます。
ライセンス違反をしてしまうと訴訟などの問題に発展する可能性もあるため、オープンソースのソフトウェアを使用するときはしっかりライセンスの内容を確認するようにしましょう。
ライセンスについて少し掘り下げてみましょう。
オープンソースのライセンス「コピーレフトという概念」
「コピーレフト」とは、簡単に言えば「著作権を保持したまま、他者に自由に使わせる」という考え方です。
(よくサイトの下部に書かれているこれ©とかこれ↓)
▲コピーライトの表示例
オープンソースのソフトウェアは基本的にこの「コピーレフト」の概念に基づいてライセンスが作られています。
また、コピーレフトを取り入れたライセンスは伝搬性が強いのも特徴です。
●コピーレフトの考えが導入されている主なライセンス
GNU General Public License -強いコピーレフト性を持つライセンス
GNU Lesser General Public License -弱いコピーレフト性を持つライセンス
Mozilla Public License – 上記の中間的コピーレフト性をもつライセンス
次はオープンソースであるメリット・デメリットを見ていきましょう。
オープンソースのメリット
オープンソースのソフトウェアは、先述した通りソースコードを弄って自由にカスタマイズし出来ることが最大のメリットです。
▲オープンソースのCMSイメージ
また、有償のソフトウェアでは開発元の倒産などで使えなくなってしまうことがあります。
▲企業が運営するサービスのイメージ
オープンソースのソフトウェアは特定の企業から販売されているわけではないため、倒産や閉鎖によって利用できなくなることがないのもメリットの一つです。
オープンソースのデメリット
オープンソースのデメリットは、開発に関する専門知識がない場合、取り扱いが難しい点です。基本的に運営からのサポートというのがないので、トラブルが起きた場合利用者自身で対応する必要があります。
また、オープンソースのソフトウェアは定期的にアップデートする義務がないため、脆弱性が発見されると(オープンソース故に)攻撃されるリスクが高いのも問題です。
WordPressとライセンスのこと
CMSで今圧倒的シェアを誇っているWordPressはGPLというライセンス形態をとっています。
GPLとは、非常に高いコピーレフト性をもつライセンスで、要点は以下の4つ。
「改変してもいいけど自己責任(無保証)」
「著作権の表示は消してはダメ」
「複製・改変・再配布・販売等は自由」
「再配布する物もGPLライセンスにすること(つまり自分が手を加えたものも同じように複製・改変・再配布・販売などされることを許可しないといけない)」
「オープンソースは知識がないと難しい」ということでしたが、WordPressは上記のようなライセンス形態によって、現在も様々なプラグインやテーマが増え続け、ユーザー発信のサポートも充実しています。
これは利用者が多いオープンソースのソフトウェアならではの特徴ですね。
改変・配布する → (誰かが)改変・配布する → (誰かが)改変・配布する
この繰り返しで、利用者が多いオープンソースのソフトウェアは、技術面の向上や、コミュニティでの情報交換が活発に行われ、継続的にアップデートされています。
「オープンソース」のおさらい
・オープンソースは無償で色々できるソフトウェアのこと
・オープンソースはライセンスによってルールがそれぞれ違う
・オープンソースはベンダーのサポートがない
・オープンソースはソースコードが開示されている為攻撃されやすい
関連用語
・CMS
その他参考になる記事
・オープンソースとは?基礎知識と企業がOSSを利用するメリット・デメリットを解説:ferret
・オープンソースって一体何?利用する際の注意点と合わせて解説します:カゴヤのサーバー研究室
・GPLやMITやCCなど主要ライセンスの内容と意味のまとめ:ITキヲスク