近年、働き方の多様化が進み、副業に対する関心が高まっています。終身雇用制度の崩壊や、コロナ禍による経済的な不安定感の高まりから、本業以外に収入源を確保したいと考える人が増えていることが背景にあります。また、政府も「働き方改革」の一環として副業を推進しており、企業側も副業を容認する動きが広がっています。そこで今回は、日本で暮らす人々の副業へのモチベーションについてアンケートを調査を実施し、その結果についてまとめました。
1,000人を対象に副業についてのアンケート
調査概要
対象者:20歳~69歳の男女
サンプル数:1,000人
居住地:全国
調査方法:ネットリサーチ
アンケート実施日:2024年12月12日
質問と回答
質問:副業をしてみたいと思いますか?
質問に対しての回答選択肢は以下
1.すぐにでも始めたい
2.準備が整えば始めたい
3.時間があればやってみたい
4.やりたくない
5.分からない
6.すでに副業をしている
副業関心層は6割超え、最多は「時間があれば」
全国の20代〜60代の男女を対象に、「副業をしてみたいと思いますか?」というアンケートを実施したところ、最も多かった回答は「時間があればやってみたい」で32.3%でした。次いで、「やりたくない」が18.7%、「準備が整えば始めたい」が16.1%で続くという結果になりました。
副業意欲、女性が男性を上回る
男女別で見ると、「時間があればやってみたい」と回答した方は男性が29.8%だったのに対して女性が34.8%と5%多くなりました。また、「すぐにでも始めたい」もしくは「準備が整えば始めたい」でも女性がわずかに上回った一方で、「やりたくない」と回答した方は男性が5%多くなっており、全体として女性の方が副業に積極的な傾向にあることが分かりました。厚生労働省によると、令和4年のパートタイム労働者比率は男性が16.9%だったのに対して女性は47.8%、総実労働時間は男性が1,826時間で女性は1,422時間となっています。これまでは育児などの理由から正規社員としてフルタイムで働くことが難しかった方も、コロナ禍を経てリモートワークなど働き方が多様化したことで、働く時間や場所を自由に設定できる”副業”という選択肢を選ぼうとする女性が多くなったのかもしれません。また、ジョブ型の採用(職務内容を明確にした上で人材を採用する方法)が増えてきていることも、副業でスキルや知見を身に着けようとするきっかけになっていることも伺えます。
参考:厚生労働省 雇用環境・均等局「雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和」
副業意欲、年代で温度差? 60代は消極的な傾向
年代別で見ると、全ての年代で「時間があればやってみたい」と回答した方が最も多くなりました。また、「すぐにでも始めたい」という方は、60代以外の年代で10%以上の回答を集めており、2018年の働き方改革による政府の副業推進など、働き方の多様化が進む中で副業に積極的な方が増えてきていることが推察されます。その一方で、副業禁止の企業が一般的だった時代を長く過ごしてきた60代の方は、「やりたくない」と回答した方が30%以上おり、副業に対するマイナスイメージが今も払拭されていない可能性が伺えました。
高年収ほど副業意欲も高い傾向 :「すぐにでも始めたい」20%超
世帯年収別で見ると、「すぐにでも始めたい」と回答した方は年収が高くなるのと比例して増加しており、世帯年収が1,001万円〜の層では20%以上に上りました。過去に実施した「副業で稼いだ最高月収はいくらですか?」というアンケートでは、副業で月収30万円以上を稼いだことがある方の割合は1,001万円〜の層で約25%に上っており、高収入の方は本業以外にも収入源を複数持とうという意識が高い方が多いのかもしれません。
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