afbは、Apple社が新たに導入した「ITP2.3」の影響を受けないトラッキングシステムへの切り替えを進めております。ITPにより収益にどのような影響があるのか心配なパートナー様も多いと思いますが、どうぞご安心ください。
この記事では、afbはどのようなシステムでITPによる制限を回避するのかを解説していきます。専門的な話になってしまいますが、記事の後半に用語がよくわからない人向けに噛み砕いた解説があります。弊社の対応とITPへの理解が深まるはずですので、ご一読いただければ幸いです。
ITP2.3の概要
ITPとは、Apple社のブラウザであるSafariに実装された「ユーザーが望まない追跡を防止」する機能のことです。全てのASPはユーザーを追跡することでアフィリエイト成果を計測しているので、このITPに対応することが急務になっています。
ITP2.3
2019年9月発表されたiOS13のSafariには「ITP2.3」が実装されています。業界でも広く活用されている従来の計測タグでは、成果測定用パラメータをローカルストレージに保存していましたが、今回のアップデートにより、7日間で削除される可能性が高まりました。
そのためタグを利用したユーザーの追跡がこれまでと比較し困難となり、クライアント様側で成果測定用パラメータ保存と成果通信を行う「サーバー間通信方式」と、ドメインを統一することでタグを使用せず成果測定用パラメータを管理する「CNAMEを利用したトラッキングの仕組み」の整備を進めています。
ITPの来歴
・ITP2.0(2018/6~) :「サードパーティCookieに保存したデータを即時削除」
・ITP2.1(2019/3~) :「ファーストパーティCookieに保存したデータも7日で削除」
・ITP2.2(2019/5~) :「ファーストパーティCookieに保存したデータを24時間で削除」
・ITP2.3(2019/9~) :「JavaScriptでローカルストレージに保存したデータを7日間で削除」
afbの対応策
すでにafbは、ITP2.3に対応した成果測定方式を提供しています。大きく弊社が執り行っている対応策は以下の2つです。
・サーバー間通信方式
・CNAMEを利用したトラッキングの仕組み
サーバー間通信
サーバー間通信は、「弊社のサーバー」と「クライアント様サーバー」で直接通信をして成果を判定するトラッキングシステムです。
サーバー間で追跡情報をやり取りし、計測用パラメータをクライアント様のサーバなどに保存、またはJavascriptを使わずにhttpヘッダーにCookie付与して保存します。ユーザーが商品を購入した場合、ブラウザを介さず、パラメータを弊社サーバーに直接返却することで成果が測定されます。
Javascriptを使ったCookie書き込みや、ローカルストレージを使用しないので、ITPによる制限に抵触しません。
CNAMEを利用したトラッキングシステム
CNAMEを利用し、CVページのドメインとCookieを付与するドメインを統一することで、ITPによる制限を回避するトラッキングシステムです。
ユーザーがLPページに遷移する前に、afbのサーバーにリダイレクトさせます。その際、CVページドメインのサブドメインを割り振った弊社サーバーからCookieを付与し、CVページではタグを使用してCookieを読み取ります。このCookie付与には、JavaScriptを使用していないので、ITPの制限に引っかかることはありません。
初心者向けの解説
ITPや成果のトラッキングシステムは複雑な仕組みのため、解説には様々な専門用語が必要になってきます。そのため、苦手意識を持ってしまっている人も多いかと思います。
そこで、「ITP? トラッキングシステム? パラメータ?」と疑問だらけの人に向け、わかりやすく噛み砕いて解説していきます。
※こちら初心者向けの解説となります。一部不正確な表現が出てきますが、わかりやすさを重視しておりますのでご了承くださいませ。
ユーザーを追跡するために使用する「仕組み」
弊社の対応策を解説する前に、頻出する専門用語を簡単に説明します。
ユーザーの行動を追跡するためには「タグ」と「パラメータ」2つの仕組みが必要です。この2つの用語はITPを解説する上で頻出します。なので必ず確認しておきましょう。
・パラメータ:WebページのURLに付け加えられた「値」。様々な用途で用いられるが、afbでは成果測定で使用する。
・タグ:HTMLに埋め込まれた「コード」。タグによって様々な動作が起こる。
タグとパラメータが作用することで、ユーザーの動きを追跡する「追跡情報」を付与することができます。※タグとパラメータの2つを使えばユーザーの動きがわかるんだなあ、くらいの認識で大丈夫です。
追跡情報の「保存先」
タグとパラメータの作用により、ユーザーの動きを追跡する「追跡情報」が付与されます。主にその追跡情報を「Cookie」「ローカルストレージ」にJavaScriptなどのプログラムを使って保存します。
①Cookie
ウェブサイトの様々なデータを保存する場所です。アクセスしたサイトでどのような動きをしたか、何を入力したか保存しています。Twitterに再度アクセスしたとき、自動でパスワードが入力されるのも、Cookieに情報が保存されているからです。
詳しくはこちらの解説記事をご覧ください。
②ローカルストレージ
こちらもユーザーの動向をブラウザに保存する場所です。Cookieと違い保存できる容量が大きいのが特徴です。
ITPとは
Apple社がSafariに実装しているITPは、主にユーザーの追跡情報を「JavaScriptを使って保存すること」に大きく制限するようになっています。
ITP2.2で「Cookie」へ追跡情報を保存するのが困難となり、「ローカルストレージ」に保存するケースが増えました。しかし、今回のITP2.3で「ローカルストレージ」も制限されるようになったのです。
つまり追跡情報を付与しても、JavaScriptでCookieとローカルストレージに保存すると、削除される可能性があると言うことです。しかし、ITPも完全ではなく、場合によってはCookieとローカルストレージに保存した追跡情報が削除されないこともあります。
afbのITP2.3対応トラッキングシステム
そこでafbは、ITPに対応した2つのトラッキングシステムの普及を進めています。
・サーバー間通信
ITPに影響を受けない追跡を可能にする方法が「サーバー間通信」です。
ユーザーがリンクコードをクリックすると、URLに「abmパラメータ」という特殊なパラメータを付与します。LPにアクセスした時に、そのabmパラメータを「クライアント様側のプログラム」で保存します。
そして、ユーザーが商品を購入したときにabmパラメータがafbに返却され、成果の測定が出来るのです。
言葉での説明ではあまりイメージがつかないかもしれないので、「電車の支払い」にたとえて解説します。
電車に乗るときは、まず改札を通る必要があります。その際、鉄道会社はICカードに乗車する人を追跡する情報を付与します。
そして、ユーザーは目的地の改札を抜けるとき、鉄道会社に追跡情報を返却します。返却された鉄道会社は、保存してある追跡情報と照らし合わせて運賃を算出します。
サーバー間通信は、まさにこのシステムです。
ユーザーがリンクコードをクリックした時に、ブラウザに追跡情報を付与し、その情報をクライアント様側に保存します。
ユーザーがCVページに辿り着いたのなら、その追跡情報をafbのサーバーに返却することで成果を計測しているのです。
・CNAMEを利用したトラッキングの仕組み
先ほど、JavaScriptを使ってCookieに追跡情報を保存すると、ITPにより削除される可能性があると説明しましたが、「同じドメインからJavaScriptを使用せずにCookieを付与する」と削除はされなくなります。
今までのやり方では、まずafbのドメインにアクセスする必要があり、その後クライアント様のドメインでCookieを保存する「2つのドメインでのやり取り」でした。これではITPにより24時間後にCookieが削除されてしまいます。
しかし、CNAMEを利用することで、CVページのドメインとafbのドメインを同じにし、ITPによるCookie削除を回避します。簡単に仕組みを言うのなら、サーバーに同じ「あだ名」を付けることで、擬似的にサーバー名を統一しているのです。
この方法ならITPにより削除されることもく、ユーザーを追跡することが可能です。
今後の展望
ITPは将来、さらに制限を強めることは想像に難くありません。
もしかすると、Cookieの読み取りにタグを使用する「CNAMEを利用したトラッキングシステム」も制限される可能性があります。そのためafbはタグを使用しない「サーバー間通信」の導入を推進しています。
しかし「サーバー間通信」は、クライアント様のサーバーを利用する性質上、クライアント様の意向によっては実装できない恐れがあります。そこで、パートナー様の不安を少しでも和らげられるように、弊社独自のトラッキングシステムの導入も進めております。
afbは、ITPが発表される以前よりCookieとローカルストレージ以外を使用するトラッキングシステムの普及を進めていました。この先もITPの一歩先を行けるように、尽力して参りますので、何卒よろしくお願いいたします。
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